SALT,SUN & TIME

ローザンヌ備忘録

Masque-Rider

きれいな曲だなぁ。久しぶりにすんなり耳に入ってくるライダースのCiao!の中で真っ先に耳に残った曲だ。
以前にも書いたけど、白井良明氏加入後の「イスタンブール・マンボ」からのライダース・ファンなもんで、良明氏同様今年が35周年記念なのだ。だから良明氏とは何かの縁(えにし)を感じないわけにはいかない(笑)。ずいぶん昔、斉藤哲夫氏のアルバムジャケットでライダース参加前の良明氏の写真を見たことがあったけど、銀縁のめがねをかけ、頬がこけ神経質そうな容貌で小難しそうな音楽をやりそうな印象を受けた。それがあの「青空百景」での「トンピクレッ子」のハジケっぷり。ぱい、ライダースの流れの中、ライダースっぽくない新しい息吹を感じさせてくれて、いっぺんで好きになっちまった(笑)。これもどっかに書いたけれど持ち味の大陸的な大きさはこの曲にも表れているけれど、それと同じくらいに漂う深い哀愁。その深い悲しみ、無力感と言ってもいいものがこの曲をより美しいものにしているんだろうと思う。不透明につもってゆくのは、きっと深い悲しみのつまった夜のしじま、あの日の記憶、目に見えない恐れなんだろう。それにしてもうたうのに(久々に一緒にうたったりしてんだけど)音のとりにくい名曲だ(笑)。