SALT,SUN & TIME

ローザンヌ備忘録

「映画×東京とっておき雑学ノート」

久しぶりに小林信彦さんの文春文庫「映画×東京とっておき雑学ノート」を読みました。
当時は、連載中は読まずにまとまった翌年の単行本を必ず買って読んでたんですが、なんだかある時から、その文章が鼻につくようになって止めてしまってました。
たまたまあの実弟小林泰彦さんが描いてる表紙、地が緑で、植木等谷啓の着てるジャケットのクレイジーらしい黄色がなんともいいコントラストで、思わず手に取りながら、そういえばもうこの二人もいないんだなあ、小林さんなんか書いてんのかな、なに書いてんのかなあ、なんてことが頭をよぎりながら買っちまったわけなんです(笑)。
そこにはやっぱり小林さんならではの、小林さんしか知りえないないようなエピソードが書かれていたんですが、独特のクールな目が効いていて、なんてんでしょうか、奥さんへの苦労が偲ばれるなんて言う言葉は見られましたが、こうなんかもう少し、植木さんに対する、なんてんでしょうか、うまく書けませんが、、、。
で、おっと思ったのが、私が若かりし頃にアルバイトをしていた渋谷のSUMIYAが出ていたことでした。
小林さんは、日本未公開のミュージカルビデオや輸入ビデオを買うためにこのSUMIYAに通いつめてたらしく、エンニオ・モリコーネのブームもこの店から始まったときっぱりと書いているし、名店であるとも書いていました。そうでしたSUMIYAは、マニアックな映画のサントラ店で有名だったんでした。
私も昔、友人に頼まれて、どこにも見つからないっていってたフランソワード・ルーベの映画音楽LPをここであっという間に探してあげたことがありました。でも私の場合はバイトのきっかけもありますが、渋いロックやレゲエの格安のLPコーナーがあり、ロックライブのビデオをお店の大画面テレビで見れるという思い出の方が強いんですね。バイトをしながらもせっせとここでそんな輸入盤のLPを買っていました。っていうか、LPや本を買うためにバイトをしていたんでした。あ、あと飲むためか(笑)。しかし、残念ながらこの文が書かれた2007年の翌年、SUMIYAはお店を閉じてしまいます。
ということは、その翌年のことを書かれた小林さんのこの連載を、そして性懲りもなく谷啓さんが亡くなった時のことなんかもなんだか読みたくなってきてしまうわけなんですね。タコです(笑)。
なわけで、これからまた小林さん読書週間が続きます(笑)。
そんじゃ、また。