SALT,SUN & TIME

ローザンヌ備忘録

Bob’s Fish Market

と聞いて、どれくらいの人が知ってんだろうか? と思うわけですが。
彼らのデビューアルバムが出る頃、私もバンドをやってまして(ぽりぽり)。確か、東海大学の寮でそのバンドの合宿をやったんですよ。そこで、誰かが「こんなバンドがデビューするんだぜ」なんていいながら、あれは、プロフィールなんかが書かれていたパンフレット? いや、チラシか(笑)を見た覚えがあるんです。詩は、アルチュール(私はアルチューです(笑)ランボーで、音はThe Band とかなんとか書かれていたのを覚えています。それに惹かれたのか、それとも夕焼けの「また吠えはじめたよ」のオリジナルをうたってるバンドだったからなのか、それとも以前書いたけれど、雑誌に出ていたBob’sのルポで気になっていたのか、、、その全てだと思うけど(だったら最初っからそう書けや、にいちゃん)、デヴューアルバムを買って聴いとりました。が、あっというまに音沙汰をきかなくなって幾星霜。
そのバンドが30年ぶりに復活するってんで行ってまいりました、下北「ぐ」へ。
すんばらしかった! いや、ほんと! 久しぶりに心が震えました(陳腐なひょうげんだなぁ、にいちゃん)
会場は、超満員で顔なんか一切見えなかったけれど、その音は、私の胸の奥底まで届いたのでした(またまた、陳腐も陳腐、ベタな表現やな、にいちゃん)。
「いい音してんなぁぁぁ」「こんな音、久しく聴いてなかったなぁ」っていうのが、その気持ちのいい音の中での所感でした。
昔、聴いたときは、The Bandは、大袈裟だなと思ってたんですよ、もちろんランボーもですが。でも、今回のライブを聴いて、その思いは吹っ飛びました。今はもうないThe Bandの名前を継いでもいいんじゃないの、The Bandになっちゃえば(笑)なんてことさえ思いましたよ、ほんとです。とてもよく熟成された濃厚な音は、私の大好きな日本酒の味わいに似て、いくら飲んでも、飲み飽きない旨さが漂っているのでした。案の定、焼酎を飲みすぎ、大きな声でうたったり、「のむぞ・フィッシュ・マーケットぉ〜」「裸になってもいいんだよぉ〜」なんていう声援(ヤジともいうか?)まで送ってしまいましたが(笑)
敦賀さんのうたも日暮さんのスティールもマンドリンもほんとに、少しとろけるような金目の煮つけにも似た、骨までしゃぶりつきたくなるようないい味わいが染み出ててよかったんですが、やっぱりリズム隊、吉田さんのベースに、この日のタメに猛特訓を積んだという前田さんのドラムがいい感じで、ほんまに! 彼らのノリのいいしっかりしたリズムがあるから、敦賀さんの渋いうたも日暮さんの気持ちのいいスライドも活きてくるわけなんですよ! もちろん、随所にいいおかずを入れてたヤノピも流石でしたが。
なんてんでしょ、うまくいえないんですが、長く演ってるといろんなものがその音の中に沈殿してるわけなんですね。それがぽこぽこといい感じに発酵して、得もいわれぬ味わいを醸し出してくれるわけなんですね。ある意味私自身の歩いてきた道のりを感じさせてくれるような、もちろんたやすい、楽な道ばかりでなく、どちらかといえばイバラなでこぼこ道を静かに、すぅーっと頭のてっぺんからつま先まで感じさせてくれる。そんな音なんですね。そんな音が、やっぱ、オレ好きなんだな、とつくづく感じさせてくれました。
アルバムの制作にとりかかるっていう話なんで、それがほんとに楽しみです。また、ライブにも足を運びたい!と思いました。
明日からも仕事なんとか頑張れるな(笑)。