SALT,SUN & TIME

ローザンヌ備忘録

トイレ

歳のせいなのかこの頃夜中によくトイレに立つようになった。
昨夜もどうしても我慢が出来なくなり、夜中トイレへ行った。
うちのトイレは洗面所の隣にあり、その洗面所の三面鏡の前をどうしても通らなくてはならない。
いくら寝ぼけていても、いつもそのことだけは頭の中をよぎり、嫌だなあ、行きたくないなあ、という心持にさせる。
蒲団の中でしばし葛藤するも我慢が出来ない。なんでだか余計にしたくなってしまい、しぶしぶと蒲団から出てトイレへ向かう。
寝室の襖を開け、リビングに出て、リビングのドアノブを引いてトイレへ目をやるとトイレのドアが少し開いていて、その隙間から灯りがもれている。
また、息子のやつがドアを半開きにしたままやってんだな、と少しむっとしながらトイレの隣の洗面所のあたりまできて
「おい、おめぇー、きちんと閉めてやれよ」
と声をかけながらドアノブに手をかけ閉めようとしたとき、洗面所の三面鏡を偶然見上げてしまった。
すると三面鏡がちょうど半開きのドアの間からトイレの中が見えるあたりに開いていて中を映し出したのだ。
ぎょっとして、全身が総毛立ち身体が固まってしまった。
同じ紺のパジャマを着たオレが、いつものようにズボンを下ろし用を足してる。
ジョー、、、、、、、」
と気持ちいい音がしている。
用を足したオレは、こちらをふりむくと
「小便したかったんだろう」
とぼそりとつぶやきながらドアをぐあっと開いてオレの中へおもむろに入ってくるではないか。
声もでないオレは、ごくりとつばを飲みこみその場に立ち尽くしているしかなかった。
気が付くと、もうあの我慢できない尿意はなくなっていた。
ぽかんときつねにつままれたような気分で寝室に戻り、蒲団をかぶって寝てしまった。
翌日、朝起きて、いつものようにトイレに入るとなぜかいつもより、、、が小さくなっているような気がした。参ったな、、、。
おしまい。