♪えんやこらせー どっこいせー
エーエンさぁあては〜あぁ〜、一ぃ座ぁあの皆さまぁえ〜
今年も行ってまいりました、河内音頭の盆ダンス！
待ち合わせに一時間遅れたもんだから、気が焦る焦る。そんな気持ちをあおるように聞こえてくる河内音頭。小走りになりながら「はい、一名様。フィリピン、ロシア、ポーランド。可愛い子、いっぱいね！」の呼び声の錦糸町のキャバクラ街を通り抜ける。ちらとその呼びかけた女の子の顔を見るとフィリピン系の女の子でちょっと南沙織似できゃわいい！しかし、オレは今、河内盆ダンスに行かねばならないのだ！それにおねぇちゃんと遊ぶほど懐は温かくない。今度ね！またね！と後ろ髪を引かれながら盆ダンス会場へと向かう。
会場手前の港屋酒店で当たり前のように発泡酒のロング缶を買う。一気に飲みこむ。至福のときが訪れる。河内音頭がどんどん大きく聞こえてくる。気分は、一気にハイになってくる。会場前の人だかりが、会場内の熱気がこっちの方にまで溢れかえって、早くおいでとオレを呼ぶ。
「こりゃ、去年より人手が多いなぁ。世の中あんまりオモローなことないもんなぁ」なんてことを会場入り口から盆踊りの輪を眺めながら思ったりする。
ひょいと眼を移すと、待ち合わせのお二人が目の前に。なにやら知り合いの方とお話中。
「やぁやぁ、どうも！」と声をかけると、「おぉ、どうも、どうも！」なんてことになって、その熱気ムンムンの会場内へずんずんと分け入っていくことに。
むーんとする熱気と様々な匂いが充満する会場内は、盆踊りの輪の周りを見物する人たちが二重三重の輪で囲み、超満状態。去年のようには、踊りを見ることができない。屋台は、韓国の屋台に中近東、そして定番焼きそばに焼き鳥の屋台が軒を連ね、黄色い声のおねぇちゃんやだみ声のお兄ちゃんが「はい、いらっしゃ〜い、いらっしゃ〜い」と気安い声をかけてくる。
「いやぁ、相変わらずの熱気ですね！」と大声で話す。何しろ生河内音頭がぎんぎんにバックで演ってるもんだから、全て話は、大声にならざるおえない。気持ちのテンションも上がってるもんだから、その大声が逆に気持ちいい。缶ビール片手に、河内音頭がじっくり見える聴ける舞台袖までやってきて、少し聴き入る。でも、腹が減ってる我が身は隠せはしない。ビールが余計に腹へリをあおってくる。
「ちょっとゆっくりしましょうか」ってことで、近くの屋台のテーブルへとしけ込む。
缶ウーロン酎を注文。当然ツマミは、焼き鳥に、煮込みに、焼そば、枝豆。なぜか。アルコールにぴったり、当たりはずれがなく、みんなウンマイからなのである。なんともじんわり染み入るアルコールに河内音頭かな。
お、今度は、女性の歌い手さんだ！なんとも艶やかでいいもんです！「あのね、♪えんやこらせぇ〜、じゃないんですよね。♪いんやこらせー なんですよ」と教えてくれる、Taniyan。「へぇー、そうなんだ」とうなずくオレ。「さっき一緒だった人は、主催者のお一人で、元優歌団のマネージャーさん」とMKさんも教えてくれる。お二人ともさすが年の功、何でも知ってる（星は）
今回はリベンジということで踊りをマスターして、あの輪の中で思う存分暴れてやるぜ、なんて思っていたのだが、そんなことは、どっかにいっちゃって、結局そのテーブルで最後の曲までいってしまったのだった。うーん、やっぱ、祭りの後は、寂しいもんでございます。あの祭りでひとつになった熱気が三々五々散らばって、2百も3百もの（もっと多かったか？）個人の冷めた熱気となって散っていくのだ。オレラも案の定、祭りの後の寂しさは、たとえば女でまぎらわし（拓ちゃん、元気かな？）なんてことはなく、酒で紛らわしに近くの酒場へ。もちろん行き同様「可愛い子いるよぉ〜」の声がかかるが、女で紛らわすには、、、。
入った酒場が、ナイスな酒場、「三四郎」。もう随分長い間やられている雰囲気が濃厚な正統居酒屋だ。おからにポテサラ、煮込んだ厚揚げにマグロぶつにトマトを頼み、酎ハイをあおると、これまた、別世界が開けていくのだ。ここでは、めったに聞けないリアリズムな話に花が咲き、あっという間にラストオーダーとなりました、ハイ！錦糸町で飲んでることも忘れる酔い心地でほんとに時のたつのの早いこと。そしてまた「月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり」の言葉通り、また各々の人生という長い、そしてあっという間の旅へ出かけるためのパワーを蓄えたのでございます。
なわけで、でだしの♪えんやこらせぇ〜 は間違いで、いんやこらせぇ〜 なんで、よしなに。よしなにさゆり。
古本「山風蠱」http://www.geocities.co.jp/MusicStar-Piano/9491/newpage3.htm
開店休業ですが、ずーっと、ぼちぼちやってます。よろしくです。
