SALT,SUN & TIME

ローザンヌ備忘録

「ひこうき雲」

[:W150]国営放送で「ひこうき雲」思い出話とでもいうんでしょうか、そんな番組をやってました。なにしろ「ひこうき雲」の熱心なファンだったもんで、って過去形ではございません、未だに熱烈に好きなアルバムなもんで、ちょいと薄味ではありましたが、手放しで(茂さんがいなかったのが残念無念だったけど)喜んでしまいました、はい。
まずは、マスターテープの音の良さにびっくり!ハツラツとしたユーミンのうたごえ、各楽器ごとの音の陰影がくっきりと出てて。マルチ録音の利点を得て各楽器だけの音を聴くっていう試みも面白かった。細野さんのガッドギターとユーミンのボーカルだけの「きっと言える」は、ちょっとエキゾなボッサでなんともいい感じで、苦笑いの松任谷さんのコーラス部だけの「曇り空」も悪くないし(って、話にもでたティン・パン・アレイの「ジャクソン」の歌唱力を聴けばね)、林さんのドラム音がよりいっそう、その情景を浮き立たせていたり。茂さんの代わりに頑張ってた駒沢さんの「そのまま」の気に入らないスティールギター部分だけを入れなおすという暴挙(笑)も面白かった。それを聴いてたメンバーが録り直そうかなんていってたり、このメンバーでクラブで演ろうよなんてことも言ってたりして。是非ともお願いしたいんですが。そういえば、忠さんが「ほうろう」のうただけを入れなおして出すそうですが、どうなんでしょうか?気になりますが。ちょっと心配。
で、話を元に戻すと、もう随分前にユーミンについて書いた時にもこっぱずかしいことを書いた覚えがあるけれど、早い話が、このアルバムのうたには、当時のぼくの思い出もたくさん詰まってるわけで、ともすれば、鼻の奥のほうがツーンとくるような思いが溢れ出てくるわけで、、、。
「きっと言える」を聴いて、そのまま「きっと言える」と好きな子に電話をかけてしまったり。あのぉ〜、あの頃は、携帯なんかもちろんない時代で、プッシュホンになってたのか?それとも「ジーコン、ジーコン」のダイヤル式だったのか?の微妙なころだったはずで。かけるまでの、かけてしまってからの「ぷるるるる」の呼び出し音を聞いて待っている間のあのドキドキ感は忘れられないわけで。もう今じゃ、そんな気持ちには決してならないだろう、あのドキドキ感がさらに高まって、胸が痛くなるような期待感、恥ずかしさであったり、困惑感に絶望感、「俺ってばかじゃない」の愚の骨頂感などがないまぜになって、もうどうにでもなれといった開き直りの中、相手がやっと出て、でもやっぱり恥ずかしさと、何とか伝えたいとのあせりで、早口になり、何言ってんだかわかんなくなり、一方的なこちらの会話が終わったあとの耐えられないような沈黙があって、、、そして「ごめんなさい…」のひとこと。今こんなもん書いていても、がく〜ん、がく、がく〜ん、とうなだれてしまいたくなるようで。あれは、やっぱり、ちょっと大袈裟かもしれないけれど、生きてる証のひとつであったなぁ、なんて思うんだけど。そんな風にユーミンを聴くたびに、そんな行動に駆られ、そんな気持ちを味わった自分がいたんだって言うことを確認できる、こっぱずかしさと妙な嬉しさがこみ上げてくるわけですね。まだまだ、いろんな思い出があるんだけれど、その思い出からさらに枝葉が伸びて他の方向に思い出が開かれていったりもして、その辺りのことは、また機会があったらということで、とりあえずは、ユーミンのアルバムから吉田美奈子嬢、アッコちゃんにター坊とゆっくりとアルバムを聴き直したいと思っております。あ、昨日やってたター坊のアコースティックライブも見なきゃ!なもんで、また!