SALT,SUN & TIME

ローザンヌ備忘録

ジェフ&エイモス

ジェフ・マルダーの「ワンダフルタイム」とハース・マルティネスの「ハース・フロム・アース」が発表された年が1975年。もう二度とこんなアルバムにはお目にかかれないだろうという2枚が、同時に生まれていた。(って、この年はそんなアルバムがたくさん出ている)。ま、それは置いといて(笑)

獅子てんや&瀬戸わんやにも引けをとらない(笑)ジェフ・マルダー&エイモス・ギャレット、ベターデイズの盟友二人が、最強タッグを組んだアルバムを初めて聴いたのももちろんブラック・ホークだった。大人の階段をやっと登り始めたぼくには、この二人の伯父さんの醸し出す人生を凝縮したように深く濃厚で、果てしなく優しく懐かしいうた(もちろんうた声だけではなく、楽器が奏でる音、ギターの弦の擦れる音、その空気が醸し出す雰囲気すべてがうたってるという意味)がほんとに心地よく感じられた。
その翌年79年の来日時はもちろん、親友と二人、新宿の今は無きロフトに初めて、わくわくしながら聴きに出かけた。
あのライブは、一言も一音も一息も聞き漏らさないようにと、じーっと目の前の二人を凝視していたぼくらのえらく緊張していた雰囲気を気持ちよく吹き飛ばしてくれたほんとに人懐っこく和やかなライブだった。
顔を真っ赤にしながら、思わず一緒に伸び上がっちゃうようなジェフのうたごえ、とろけるようなエイモスのリードギターにごろんとしたそのうたごえ、曲の間の二人のやりとり、これがほんとにホンワカ楽しそうで、未だに英語を解さないぼくでもその感じがわかって笑みを漏らしてしまうといった塩梅で、今も目の前にその光景が浮かぶ。バックの佐藤博さんのヤノピに文ちゃんのベースもいいおかずを加えてて完璧な布陣だった。(これもきちんと云っておかないとね)。
あの思い出すたびにうっとりとしてしまううたを聴かせてくれたお二人が、なんと30年ぶりにやってくるのだ。 ソロでは、何度も来日しては気持ちのいいライブを聴かせてくれていたんだけど、今度は最強タッグコンビの復活でなんだから!
30年という日々がどんな風に熟成してどんな音に変わったのか、そしてあの掛け合いは(笑)。あと2ヶ月、ちょっち長いけど、ほんとに楽しみだ!!
それにしても、あのフライング・フィッシュのジャケットをなんで八木さんが描くことになったのか? なんてことが知りたかったりするんだけれど(もう有名な話なのかもしれないけれど、私は知らないもんで)。きっと初来日を手がけたTom’s cabinが何か関係ありそうな気がする(笑)。