SALT,SUN & TIME

ローザンヌ備忘録

「うらなり」小林信彦 著

「うらなり」やっと読み終わりました。てもう出てから1年経とうとしておりますが(笑)
実は、小林さんの小説は、私にはどうものところがありまして(音楽同様、上っ面をなめて悦にいってるようなアタシなもんで)、、、の割には、ズット気になってしょうがないのだけれど(笑)でも、やっぱり「日本の喜劇人」「世界の喜劇人」を始めとする笑いの世界のエッセイに加えて映画やSF、ミステリーなどのコラムに止めを刺すということになりましょうか、私の場合。すんげぇーなあ、と常々感じているわけです。と、これ、あんまり言われてないようなんでもう一つ付け加えさせていただきますと、対談の名手&名編集者でもあります。
ま、ヒッチコックマガジンの名編集者っていうところもありますが、そんな名編集者の部分が出まくった小林信彦編の「横溝正史読本」を読んでいただければわかるんですが、これがもう現在手に入らないわけで(どっかで出してくれないもんでしょうか)。横溝正史を丸裸にしたような、って下品だな、えー、痒いとこに手がとどくっていうんでしょうか、たいして変んないな(笑)、の対談がメインの読本になってまして、横溝正史の秘密に加えて、乱歩が渡辺温がどんな人であったかなんてことまでが一読して、ありありと浮かんでくるわけですね。緻密にっていうか、小林さん自身が大好きな作家なんですね、横溝さんを、だから下調べがしっかりとしてあって、自身のミステリー好きも相俟って、ほんとになんていうんでしょうか、ツーといえばフォー(ひとつ聞くと聞きたかったことが倍になって帰ってくるという、これを業界では、ツーバイフォーの法則という(笑)のすべらかな対談が繰り広げられていくってすんぽうです。どっかでみっけたら即買いですよ!
で、なんの話、、、うわぬり、恥のうわぬり、、、じゃなくって「うらなり」でしたぁ、スンマセン。
実をいうと、小林さんご自身も書いてるんですが、「坊っちゃん」を読んでない人や、また読んだけど忘れちゃった人っていうのが現在、結構いるのではないかというところがありまして。ま、それには、うまい具合にある程度、どんな話しかを案じさせる話も入ってるんで、なんなんですが。やっぱり、なんなんですは、なんなんですなわけで、あたしなんぞもなんなんですなもんだから、なにしてしまって、こりゃあ、どうも困ったねぇ、なんてぇことになったりしましてね。なんだか面白れぇんだか、なんなんだかわかりゃしねぇ、なんてことにね、なったりするわけで、、、。
でね、やっぱり、うらなりは、しょせんうらなりであって、坊っちゃんヤマアラシや赤シャツには、成れないんだってね、そんな感じがしたわけですよ。って、これはぁ、アタシしとりの考えでございますからしてお間違えの無いようにひとつお願いしますが。って、この好物漫遊記ってぇのがそもそもアタシしとりの独断と偏見にもとづいた、独りよがりのブログなもんなんでねって、どっかにも書いた気がしますが、そこんとこよしなに、よしなに小百合でよろしくお願いします(笑)
で、なんなのかと申しますれば、「うらなり」は、主人公にはちょっときつい、だから「うらなり」なんであって、やっぱりあまり面白い物語はできなかった、、、んじゃないかな、とそう思ったんですよ。おしまい。(なんだか♪しりきれトンボぉ〜 ほっほっほぉ〜ん)


古本「山風蠱」http://www.geocities.co.jp/MusicStar-Piano/9491/newpage3.htm

ずーっと、ぼちぼちやってます。よろしくです。