SALT,SUN & TIME

ローザンヌ備忘録

恥ずかしいなぁ、もうっ

会社の新人社員の女の子より新人なもんだから、その子にいろいろ教えてもらったりしながら今も「あ、ごめんなさい」「あ、スンマセン」「えーっと、これはぁ、、、どうすれば、、、」なんてアタマを掻きながら、やってるわけですが。
そんな使えないオヤジの初歩的な質問やら失敗に嫌な顔ひとつせず、答えてくれる彼女を見てると「いい子だよなぁ」とつくづく思うわけで。
今日も残業して、帰ろうとしてるアタシの背中に「お疲れ様でーす」の元気な声が響いたんですよ。
振り向くと彼女もちょうど帰るところ。
「お、お疲れさま」と、少しびびりながら答えたアタシでした。
エレベータホールへ足早に向かう彼女の背中を追いながら、
「ああいう子をかみさんにしたらいいよなあ。いくら遅くなって帰っても絶対起きて待ってたりするんだよな。『なんだよ、まだ起きてたのかぁ、先に寝てていいんだかんね』なんて言っても『あなたのちゃんと帰って来た姿を見ないと。それにおいしそうにごはんを食べてる顔をみないとだめなの』なんていったりして。『そうかぁ、、、こいつぅ、しょうがないやつだなあ』なんて言いながら、アタマを小突いたりしたりして」
なんてことを花粉でむずむずする鼻をすすりすすり考えながら、エレベータに乗って会社を出て、雨上がりのビル街を抜けて大通りへと出たんです。
信号は赤。通りの向こうには、さっき後姿を見送ったときに目に付いたチェックのマフラーを巻いたあの子が、、、。
「どうしたんだろ?」
と思う間もなく、傘を持った手をこちらに向かって振っている。
「え?なに?どうした?」
と考えてるあいだにも、もっと強く手を振る彼女。思わず手を挙げてこちらも振ろうとしたとき、青になった信号を、アタシを、えらい速さで追い越していく人影ひとつ。
あっというまに彼女のそばまで行ったその人影は、アタシに微笑む笑顔の何倍もの輝きを持った彼女の笑顔を向けられたその人影は、彼女の手を取ると、駅の方へと急ぎ足に、なんともうきうきと楽しそうに消えていってしまったのでした。
恥ずかしい。アタシに振った手だった、と思ったことが恥ずかしい。そんなことを少しでも思ったことが恥ずかしい。 、、、、、、でも、ほんと振らないでよかったなぁ。
Oh!load

というわけで、よくあるドラマの一風景をご披露いたしました(笑)


久しぶりに筒井さんの新刊を手に入れまして、これが、その、筒井節が炸裂の困った実験小説でへらへら笑いながら読んどります。
これが、そのぉ、反復記述小説っていう、なんていうか、そのぉ、ある場面が何度も何度も繰り返されるっていうか、反復横跳びをしながら少しずつ前に進んでいくっていうか、その反復がどこで出てくるかの妙もあるし、ってないか?また別の場面にその反復が出てきたり、人が変ったり、場所も違ったりとなんだかうまく表現できないんだけど、出てくる人の言動なり、行動なりが相変わらず突拍子もなくて、それで思わず笑っちゃったりして、いけねぇ、いけねぇ、こんなとこで笑っちゃいけねぇぜ、なんてアタマを掻きながら、やってるわけですが。
そんな使えないオヤジの初歩的な質問やら失敗に嫌な顔ひとつせず、答えてくれる彼女を見てると「いい子だよなぁ」とつくづく思うわけで。
今日も残業して、帰ろうとしてるアタシの背中に「お疲れ様でーす」の元気な声が響いたんですよ。
振り向くと筒井のそんな実験小説を読んだのは、断筆解除後、初めてだったりするわけで。よくよく考えてみると「着想の〜」「残像に〜」なんかの実験小説が面白かったのかというと、そんなこともなくて。もちろんその突拍子のなさ、今度は何をやらかしてくれんだろうか、なんていう期待がないではなかったんですが、単なる異化効果のなにものでもなくて、あっという間に飽きてしまい、「あーあ」なんて、少しびびりながら答えたアタシでした。
エレベータホールへ足早に向かう彼女の背中を追いながら、
「ああいう子をかみさんにしたらいいよなあ。いくら遅くなって帰っても絶対起きて待ってたりするんだよな。『なんだよ、まだ起きてたのかぁ、先に寝てていいんだかんね』なんて言っても『あなたのちゃんと帰って来た姿を見ないと。それにおいしそうにごはんを食べてる顔をみないとだめなの』なんていったりして。『そうかぁ、、、こいつぅ、しょうがないやつだなあ』なんて言いながら、アタマを小突いたりしたりして」
その反復がどこで出てくるかの妙もあるし、ってないか?また別の場面にその反復が出てきたり、人が変ったり、場所も違ったりとなんだかうまく表現できないんだけど、出てくる人の言動なり、行動なりが相変わらず突拍子もなくて、それで思わず笑っちゃったりして、いけねぇ、いけねぇ、こんなとこで笑っちゃいけねぇぜ、なんて思って頭をブルンブルン振ってみても、やっぱりお馬鹿なアタマは治らない訳で。そんなお馬鹿なアタマで考えてみると、やっぱり昔のSF私小説なんぞと呼ばれてた頃の(っていつそんな呼ばれ方をした?)アンソロジーなんかに絶対載る「母子像」なり「佇む人」なんかがアタシには合ってるようで、できればあんなもんをいま一度書いてほしいと思ってるわけです。だから、恥ずかしい。アタシに振った手だった、と思ったことが恥ずかしい。そんなことを少しでも思ったことが恥ずかしい。 、、、でも、ほんと振らないでよかったなぁ。
Oh!loadトゥー・ルイジアナっていう麻琴さんと細野さんのアルバムっていうか、明かに、ありゃ、麻琴さんのアルバムで、そこに細野さんをゲストで呼んだんだよなっていうアルバムで、だからなんだっていうわけじゃないんだけど、あのアルバム好きなんですよね。って筒井さんの新刊の話は、いったいどこにいったのか?でもって、あの話の終わりはいったいどうなるのか?その興味だけは、あるんですが、少し疲れてきちゃって、もう一週間ぐらい読んでんだけど前に進まないんでゲスよ。「あ、ごめんなさい」「あ、スンマセン」「えーっと、これはぁ、、、どうすれば、、、」なんてアタマを掻きながら、こう書いてるわけですが、本日久しぶりに古本屋さんに顔を出してみたんですが、なかなかいいもんがありまして、ちょっと嬉しくなっております。そのうち「山風蠱」にも出したいと思っておりますのでご期待ください、って誰も期待してねぇっつぅーの(笑)そんじゃ、玉!

古本「山風蠱」http://www.geocities.co.jp/MusicStar-Piano/9491/newpage3.htm

開店休業ですが、ずーっと、ぼちぼちやってます。よろしくです。