SALT,SUN & TIME

ローザンヌ備忘録

出ました!!

suzukimondo2008-10-04

はい! といっても興味のない方には、どうってことない話しですが、ってアタシが書いてるもんはみんなそんなもんばかりではありますが(笑)
少し前、小林信彦さんの箱入り豪華本が出たときに書いた氏が編纂した「横溝正史読本」がめでたく文庫本で復活したのであります。
これで「読みてぇ〜なぁ、でももう絶版だし、古本屋で見かけても高いし」なんてあきらめかけてたみなさんには、なんとも嬉しい話でありますまいか!ね!
横溝正史の軌跡をたどった本書は、中でも氏が本格的に執筆活動を始める前のアタシの好きな「新青年」というモダンな読み物の編集長していた頃の裏話なんぞもふんだんに聞けて、なおかつ、日本の探偵小説(現在のミステリーやSF、ファンタジーやホラーにほら話などなんでもかんでも、を総称して探偵小説と呼んでおりました。現在よりもなんでもありぃ〜な世界、格闘技で言うところのバリトゥードの世界と言ってよいのではないかと思います(笑)。だから面白い!)の黎明期から全盛期、そして衰退期、現在に至るまでの時間の流れをたどる格好の読み物にもなっているのであります。
もし、多少なりとも横溝正史という作家に興味をお持ちでありますれば、また、当時の探偵小説の世界に興味をお持ちの方なら必ずやご満足いただける本ではないかと確信しております。
言わずもがなの小林さんの対談集でありますから、横溝正史の魅力、また当時の雰囲気を余すところなく伝えているとっても貴重な本だとも言えます。
アタシが読んだのももうウン十年も前になりますから、これからまた読み返すいいきっかけになりました。じっくり時間をかけて読み返したいと思っております。
今、読み返してる五木寛之の「風の王国」が読み終わったらですが。これが、やっぱ面白いんですよ。この五木寛之さんっていうお方も、当時の探偵小説をたいへん愛したお方らしく、あの“何でもありぃ〜な世界”をきちんと持った作家でありますね。この「風の王国」は、どこか香山滋の作品を思わせる、匂わせるところがあります。そして、今一度、今度はほんとに、流行じゃなく、自然環境のことを考え直さなきゃいけんよ、な部分もなんともタイムリーに書かれております。はい。
なわけで、おしまい。  ―鵺の鳴く夜は、恐ろしい―


古本「山風蠱」http://www.geocities.co.jp/MusicStar-Piano/9491/newpage3.htm

開店休業ですが、ずーっと、ぼちぼちやってます。よろしくです。