SALT,SUN & TIME

ローザンヌ備忘録

ある道化師の終の棲家でひと踊り

古本屋で永島慎二の遺稿集「ある道化師の一日」を見つけ手に取る。ちょっと高価だったが購入。
永島慎二のマンガを初めてみたのは、どこに連載されてたんだろう? 梶原一騎原作の「柔道一直線」だった。桜木健一吉沢京子でTVドラマ化された。
ピアノに飛び乗り足の指で猫ふんじゃったを弾く主人公のライバルの一人が誰あろう、龍馬伝山内容堂をやってる近藤正臣だった。なんだかんだといって現役でがんばってんなぁ、近藤デスッ!ってどうでもいいか(笑)
それから高校時代に漫画家を志す友だちんちで読んだ「漫画家残酷物語」「フーテン」(Aどうしてる? 悪い噂しか聞かなかったけど、、、)。
暇をつぶそうと山手線を何周も乗ったりはしなかったけど、胸に志を秘めた得体の知れぬ連中の哀しさ、儚さ、弱さ、、、脆さ、優しさ、、、やるせなさは、胸に堪えた。何をしていいのか、何に向かっていきていけばいいのかわからないカタルシスよ、無間地獄よ、同じところをぐるぐるぐるぐるよ。そして歳だけとっていく、、、。の夢のない今の若者たちとまだ夢のあるフーテン、どっちがいいのか悪いのか。
突然、モディリアニ風の絵が出てくるのもいい感じだった。それと早稲田の安藤書店の包み紙、シャッターにもあしらわれてる「旅人くん」、そんなに読んではいないけど、さわやかな風のようで好きだな。なわけで、ゆっくりと拝読させていただきます。

そういえば、いつの芥川賞だったんだろう、磯崎憲一郎の「終の棲家」も読んだ。
日本のボルヘスだそうで、私も何冊かボルヘスを持ってるけれど、きちんと読んだことがない(笑)
読み進んでしまう文体。面白いからというのとちょっと違う。もういいやと思っても、ズン、と止められない。不思議な文体。
浮気をしたり、会社の成績が上がったり、ワイングラスをたたきつけたりするようなちょっと特別なところが何もなければもっといいような気がする。起承転結、ドラマチックなところなどどんどん無視して、何十年も何も変わらない物語ならなお面白かったのにぃ、となぜか思う。
実は、ずっと前にも書いたけれど、保坂氏の書いてたことが頭の隅にずっと残っていて、、、。私はその起承転結に毒されているのではないだろうか、物語のセオリーであるところのそのパターンにはまりこんでいるのではないだろうか。なんてことがアタマのはじっこにあってって、いいかそんなこと(笑)毒されやがれ! はまり込みやがれ!(笑)
そういえばのその2、ハース・マルチネスが7月にやってきて、9月には、ジェフ・マルダー&エイモス・ギャレットがやって来るヤァヤァヤァ! 嬉しいじゃねぇか、えー、みなさんの生うたに生演奏が聴けるなんて。万障くりあわせていかにゃあなんめいなぁ。詳細は、下記を見てちょ!

Altogether Alone 〜 HIRTH MARTINEZ Summer Tour 2010
http://coconutgrove-inc.blogspot.com/





Geoff Muldaur & Amos Garrett
"Having a Wonderful Time Tour"
http://www.toms-cabin.com/