SALT,SUN & TIME

ローザンヌ備忘録

レインボーヘアー&グラム


懐かしいなぁ、といつものように本屋で立ち読みのロック雑誌を見てて思った。このレインボーヘアーのトッドのジャケット。
「something/anything?」を一枚にまとめた日本編集盤「hello it me」を初めて聴いたのは、霞町の交差点近くのこじんまりとしたディスコだった。少しディスコ熱も冷め始めてきた頃だったけど、その店も相変わらずの喧騒で、騒々しいディスコミュージックがかかっていた。ウイスキーソーダ割りなんぞを飲みながら、なんでこんなとこにオレは居るんだろう?と、めいめい好き勝手に踊る派手めな人たちを眺めながら、ぼんやり考えていた。
そんな時、店の常連だったらしい友人が「これかけてよ」といって、コジャレタ店長に渡したのが、レインボーヘアー&孔雀の羽の化粧をほどこしたグラム風トッドの「hello it me」だった。
シャンデリアのキラメキを放つようなシャリシャリした「I saw the light」は、その前にかかっていたディスコミュージックとは違って、憂いを含んだなんとも綺麗なメロディーで、出だしの一発でぞぉ〜と鳥肌がたったのを覚えている。踊ってた連中は、さぁーっと居なくなったけど、そんなぼくには安堵の一時だった。
それから学生服と学帽でぼんやりしてるトッドの「アカペラ」頃まで付き合うことになるんだけど、トッドといえばやっぱりこの哀愁感漂うきらきらと輝くメロディーで埋め尽くされた「hello it me」になってしまう、ぼくの場合は。
なわけで、今日はトッド・ラングレンを久々に引っぱり出して聴くことにした。
ターンテーブルにのせて、針を下ろそうとした瞬間、隣の部屋のラジオから「I saw the light」が聞こえてきた。