SALT,SUN & TIME

ローザンヌ備忘録

深沢ウィークと問答有用

というわけで(ってどういうわけだ(笑)、毎日のように昼休みは、仕事場近くの新刊書店ぐるぐる回ている。っていっても、3店舗しかないんで目が回ったりはしない。大体が同じ時間なので、いつも顔を合わせる人がいる。いつも何かぶつぶつと言ってるオレよりは若い兄ちゃんなんだけど、時たま大声を発し、本に八つ当たりをしている時もある。なぜかふと、オレもそんなことしてないだろうな、もしくはそんなことをするようになるかもしれない、なんてことが頭をよぎる(よぎるを今夜もありがとう(笑)。
先日は、久しぶりに深沢七郎の文庫「生きているのはひつまぶし」、そう、あれって、お茶をかけて食べるのも美味でおいしんですよ。こう軽くかき混ぜて、高菜なんかを少し加えて(っていつまで同じことを繰り返すんや、おっちゃん。すんません、ひまつぶしです)をめっけました。中身はというと、ちょっと下ネタの多い独り言ですな。深沢さんの死生観なんぞがふんだんに垣間見えておもしろいんですが、ほんとに変わってるというか、一種独特です。で、その翌日だったかは「深沢七郎コレクション」なる文庫が出てまして、こちらは、深沢作品のダイジェスト版と申しましょうか、小説やエッセイが並べられて、深沢入門書とでもいうような感じで。なわけで、今週は、ちょっとした深沢ウィークの様相を呈しておりました。
あ、それと徳川夢声さんの「問答有用」も文庫になってました。これは、その昔揃えたくて、一所懸命古本屋を回って集めたことがあるんですが、単行本で確か10冊ぐらいだったと思います。あと、別冊もあったかな?それを1冊にするってぇんだから選者も大変だったに違いありませんが。って、これは、それを3冊にした文庫(これももう絶版です)の中から選んだそうで、だったらそれほどでもないか(笑)。
しかし、目次を見て「おや?」っと思ったんですよ。肝心の、「問答有用」といえば「これ!」っていう対談が入ってない。徳川夢声VS橋本凝胤の「天動説対地動説」。丁々発止、今にも飛び掛らんばかりのバトルと呼ぶのに相応しいあの対談が入ってないじゃありませんか! これはオカシイ? と最後の解説を読んで見ると、どうも今の人にもわかる、名前の通っている人たちをメインにしたらしいですな。いろんな選び方があるとは思いますが、あの特に面白い対談を入れなかったとは、なにが「問答有用」だよ!ってなことになると思うんですがね。ってオレ立ち読みしながらぶつぶつ言ってないよな(笑)なわけでどうでもいい話でした。ご退屈様。