SALT,SUN & TIME

ローザンヌ備忘録

わかっちゃいないけれどやめられない

何か、何かを探すために本箱を整理し始めるも何を探していたのかわからなくなるってことありませんか? ぼくはよくあります(笑)。先日もそうでした。とっとと探せばいいものの、本にカバーなんかかけちゃってるとどうしても何の本だ?ッて見たくなっちゃって、ぴらっとめくってみると“志賀直哉随筆集”のタイトルが。
「ありゃ、こんなん買ってたんだ」ともう1ページめくって目次を見渡すと「太宰治の死」という文字が飛び込んでくる。もしかしてこれが読みたくて買ったんじゃなかったかな? いや、ちがったかな? なんて考えながらももうそのページをめくって読み出してしまう。
うーん、クールですね。冷徹な目がなんだか不気味なほどです。そういえば、その昔どこかで志賀直哉の日記の最後の「肉」っていうのは、アレのことだ、っていうのを読んだ覚えがあるんだけれど、、、なんでいちいち書き留めてたんだろうか? なんてことも頭をもたげたりするけど、ま、まそれは置いといて。
なんかいやぁ〜な感じがするのは、自分の言った座談の言葉なり何なりが、太宰を死へ追いやる一つの要因であったというようなことをそれも冷静に平然と自分で書いてるところで、嫌いな作家じゃないだけにチトがっかり。
なわけで、ほんとにそんなことも要因の一つで太宰は自死(心中)を選らんだのだろうか?と、今度は太宰の「もの思う葦」を引っぱり出す。ここには、その志賀に対する批判を書いてる「如是我聞」が入っているから。
うーん、辛いね、このうめきは。でも、やっぱり志賀だけに対して言ってることじゃないと思うんだよなぁ。文学界における体制、権威に対する批判なんじゃないかなぁ。尻の青いガキが少し感情的になってその象徴である志賀直哉にくってかかっている、っていうそんな感じなんだけれど、それだけに生々しくて嘘がなくて少し恥ずかしいところはあるけど悪くない。なんてことを考えてるうちに何をしてたんだかわかんなくなってくる。こうなるともう止まらなくなって、安吾もそういえば太宰の死については書いてたっけな?と思い出しやっぱり引っぱり出して読み始める、、、。で結局何かわかったのか?っていうとほとんどなにもわかっちゃいなくて、わかっちゃいないけれどやめられない♪ホレ、すいすいすーだららった すらすらすいすいすーい
なわけで、こないだ書いた十蘭も夢声もおっぽり出して読んだわりにはなんだかなぁ〜な感じで。おしまい。