SALT,SUN & TIME

ローザンヌ備忘録

City of love、東京マルディグラに流される


良明さんの「city of love」を聴きたくなり、携帯ヘッドフォンステレオにぶち込み通勤電車の中で聴き始める。やっぱ、いいなぁ。この抜けるようなシンドラの音!って、当時は、つくりものっぽくてちょっと違和感があったんだけど(笑)。エスニック(懐かしい)さの中にもアンビエント感(な、懐かしい)漂う曲があったり、森雪の丞が歌詞を書いてるアーバンカーボーイなんかは昭和歌謡の残り香も漂って、今の若いバンドなんかが歌ったらヒットしそうな気がするんだけど。それにしてもラテンの血が騒ぐ良明さんの大陸的な広がりと開放感がほんと気持ちがいいッス。

伊藤銀次さん率いる「ココナツバンク」も久々に引っぱり出して聴いてみる。これもいいッス! 日本にゃ珍しいトロピカル感とキュートなポップ感が見事に融合されてなんとも爽やかでありんす。語呂合わせの歌詞は、アタシにはイマイチなんだけれど(笑)。
ほかにもTin Panや浪花のルイ・ジョーダン花伸にスタキンなんかも聴いちゃう。みんななんかハツラツとしてて、吹っ切れてて気持ちいい。今の連中となーんか違うんだよなぁ。
昼休み、日課の本屋さんをふらふらしてると、「文学界」の表紙に小林信彦さんの名前を見つける。書下ろし小説「流されて」というタイトルに「ん?」となる。こないだ新聞小説が単行本になったばかりの筒井さんの本が確か「漂流」。どっか意識したんだろうか? なんてことが頭に浮かんで、やっぱり影響受けた本にまつわる話なんだろうかと出だしを読んでみる。なんとアタシも好きな作家の思い出話が書かれていて、小林さんのその作家に対する思いと、アタシの思いが懐かしさとともに少し重なった。

企業小説家の第一人者としてある程度の地位を築いたその作家、山田智彦さんは、もう何年も前に亡くなってしまったけれど、企業小説以前は、日常に潜むえもいわれぬ不気味さや不条理さを主題にしたある意味奇妙な味の小説を書いていた。墓場で転んだサラリーマンが、家庭の亀裂や会社社会の不条理さのなか徐々に迷信に取り込まれていく姿を描いた話など面白く読んだ覚えがある。なもんで、企業小説なんていうアタシにとっちゃまるで興味のない世界に行っちゃったのがなんだかもったいない気がしてて。そんな気分が小林さんの気分と重なったわけなんだけれど、って、あのままいってもあの地位を築けたかどうか、こればっかりはわからないんで、ま、なるようになったんでしょうが、、、ケサランパサラン。なわけで、久しぶりに山田智彦本を引っぱり出して読もうかな。
そういえば、ある新聞の書評欄に出ていた小松左京さんのお顔にはびっくりこきました。とても歳をとられた爺さん顔で、まるで以前のイメージから程遠くて、、、。うーん、小林さんだって80歳を越してるはず、なんだか、いろんな意味でこの頃は、どうなんでしょ?っていう感じでちょっと気になる。この「流されて」っていうのもちゃんと読んでみようかな。
あ、最後に、鼻に塗るやつ、やっぱ効果なし。鼻水鼻ズマリ、かゆみはなはだしです。
おしまい。