SALT,SUN & TIME

ローザンヌ備忘録

新刊三昧

ドニー・フリッツのThree Hundred poinds of hongryがデブ専野郎の歌だったとは! ってスンマセン、太った女性好みの、いや、好きになった女性がただ恰幅のいい人だっただけで、、、それにしても「まるで球体、脂肪の塊」っつぅのは、ストレート過ぎだと(笑)。Rainbow Roadは、あっという間のもの悲しい歌で、感じてた通りだったけど。それにどうもこの対訳っていうやつは、直訳すぎるきらいがあって、いまひとつ意味がわからないっすね。あたしの好きなローラ・ニーロの「I am the bluse」なんて「私は煙と灰の中、ただ一人、夜間飛行に連れてって、火星で何かあるかも 誰? 私は誰? 私はブルース」って、わからなくもないけど、一体なんだ?(笑)
 そうか、これは、訳してる人にもよるんですな。ジェシエドの「Crazy Love」は、「彼女のくれるクレイジーラブ」でヴァン・モリソンのは「彼女は僕に愛を、愛をくれる、熱烈な愛を」でどっちかっていうと、やっぱ後者のほうがわかりやすい。アタシなら「狂おしいほどの愛をくれる」なんて感じか(笑)。でもって、ハース・マルティネスの「Altogeher Alone」は、なんか「未知との遭遇」のような、あの中袋のイラストの世界のようだけど、最後の「一人でも充実した人生が送れる」ってぇのは、どういうこと?どうゆうのう?(笑)
 ま、日本の詩だって抽象的なものがごまんとあるんで、問題ないんですが、どうもなんだか、対訳を見ることによって、今まで自分が勝手にそのメロディやその他諸々から勝手に感じていたものと結構違っていて、なんだかなぁ、もっとわかんなくなっちゃうなぁ、なんて気がしなくもない(笑)。ってほんとはもう少し見てみたいんだけど、今週は、ちょっとした新刊ウィークだったもんでその辺を書いておきたい。ってたいしたもんじゃござんせん。いつものことです。
 まずは、久生十蘭の新刊文庫が出るってんで丸善に行くんだけれど、そういえば、ポイントカードがあったんだっつぅことで、そのポイントカードの本屋へと歩を進める、ってなんじゃそれ(笑)。このポイントカード、とある知人から貰ったのはいいんだけど、ぜんぜんたまんないカードでって、もう新刊をあんまり買わなくなっちゃった身にはなかなか辛いカードで、でもなんか買いたいもんがあると、やっぱりその店に行くという、明らかに、このポイントマジックにひっかかちゃってる我が身の悲しさ(笑)。ところがこの本屋、品揃えの悪さじゃ天下一品。こちらが探してるもんがいつもない。ほんと、買いたいと思っていくと絶対にない。仕方ないんで注文したりするんだけれど、一週間ぐらい平気で待たされるんですね。でもその頃にゃ、違う古本を1、2冊抱えてるんで、そういやぁ、頼んでたんだ、でも、今こっちが佳境だからつぅんで、つん読状態になっちまうんです、だいたい。で忘れちゃったりして。なんか忘れてたもんが、頭の隅、心の片隅にひっかかってんだけど、今目の前の幸せに手が伸びちゃって、忘れ去られてしまうわけなんです。って、あたしゃ、何を書こうとしてたんだっけ? あ、そうそう、なもんで、十蘭、無いんですわ、ものの見事に。で、そんなこんなで注文は忘れちゃうんでしないで、他で買うかと、店を出ようとしたわけです。そのとき、いつもの週アタマの日課でのぞいてる新聞各紙の書評コーナーへ行ってみたわけなんすよ。ええ、この本屋、新聞の書評を5紙かな、毎週壁に貼り付けてあって、どんなんが最近は出てんの?なんて見れるわけなんすね。おぉ、なんか話がどんどん長くなってきたぞ、疲れてきたぞ(笑)。
 で、ちょっと、うん?という若手が目に付いたんですよ、ええっと、なんてんだったけな?今読んでんですけど、そ、そう、アーバン・ウェイトっていう、え?でももう30は超えてんだ、なんだよ、20代そこそこだと思ってたのに、っていいんだけど(笑)。タイトルが「生、なお恐るべし」。S・キングが惹句で書いてるようになかなかのテンポで読ませてくれてはいるんですが、やっぱ、人はどんどん死ぬは、それもえぐい殺され方で、それにボンボン爆発は起こるはで、もうハリウッド映画まんまなんすね。で、思ったのは、もうこれは、まず映画ありきなんだな、ってこと。昔は、まず小説ありきで、それを映画にするっていう、それが逆転してんですな、今は。ま、その辺の話は置いといて。
 で、これを買ったときに、そのポイントカードが、なんとあと200円で500円タダになるってことがわかったんですね。もう十分にポイントマジックに浸っちゃってる悲しきわが身、次の日も行っちゃうんですね、その本屋に。何で次の日なのかっていうと、もうその日はそこでおしまいの我が家計だったわけです(笑)。でもって、なんかないかなぁ、といつものようにぶらついていると、なんと! あの青天の霹靂のときによくかかるBGM、あれはなんだっけ?♪鼻から牛乳ぅ〜っていうやつ、あれが右から左へとアタシの頭の中を駆け抜けていったのですよ。でその後に間髪いれずにやってきたのが、あの♪会いたかったぁ 会いたかったぁ 会いたかったぁ YES!君にぃ〜 のAKB48の曲で、その場でその本を指差しながら足踏みしちゃったりなんかして(笑)。
 はい、ずーっと待ってました、その昔、この本はなんとしてでも復刊したいな、とアタシの復刊リストの5本の指に入っていた渡辺温の「アンドロギュヌスの裔(ちすじ)」が、本屋の片隅にぽつんと佇んでいたじゃありませんか。そのなんとも華奢な、そしてなんとも物悲しい肩越しに、思わずそっとやさしく「久しぶり、元気だった。結構待たせちゃったかな?ごめん」なんて声をかけながらやさしくその肩を抱いて、いそいそとレジへと歩を進めたのだった(だから、この歩を進めたってぇのは、なんなんだよ一体(笑)。
 はい、品揃えがめちゃ悪い本屋なんだけど、たまにこういう変なもんをきちんと用意してあったりするもんであなどれないのアドレナリンなわけなんですね。しかし、ありがてぇなぁ、長生きするもんだなぁ、本と欲しかったんだよなぁ、この本。
 すぐさま、最初のデビュー作「影」を読んでみる。慶応の学生の頃に書いて、谷崎に認められたショートショート。映画のシナリオ用らしいけど、今だからもうこの手の話はよくあるけど、あの頃であったならほんと洒落てるよな、なかなかのもんだよ、やっぱり、この短い中に器用にきちんと話が詰め込まれてるんだから。なわけで、今週は、アーヴァンはなんだけど(笑)、十蘭に温ちゃん、これで決まり!はい!決まりです!って、ぜんぜん三昧じゃないじゃん。十蘭は買ってないし。すんません(笑)。500円分がただになる券をもらえたんで、それ使って買いたいと思ってます(笑)そんじゃ、また!