SALT,SUN & TIME

ローザンヌ備忘録

驟雨の街

先日、そのはっぴいえんどの3人で演っている「驟雨の街」を含む「風街であひませう」を聴きました。
まず「Tシャツと口紅」の
♪不幸の意味を 知っているの なんて ふと顔をあげて なじるようにいったね
に耳がいってしまうんですね、私の場合。このフレーズを聴くたびになんともドキドキしちゃうんです。で、そんな歌詞をつくる松本さんに、やっぱりびっくりしてしまいます。秀才です(笑)
で次にと言いますか、実をいうとこのアルバムの中で一番好きかもしれない中納良恵が歌う「探偵物語」。曲、詞とも絶妙のバランスをとりながら聴き手の気持ちになだれ込んできて、キュンと切ない気持ちにさせてくれる最高のバージョンじゃないかと思います。薬師丸ひろ子のまっすぐで純朴なうたもいいんですが、あのけだるい、息が詰まるような
♪好きよ 
の一言が耳から離れられなくなるんですね。
で、タイトルの「驟雨の街」なんですが、ちなみに「驟雨」というのは、夕立やにわか雨のことを言うらしいんで、きょうびの天候に合わせたわけじゃないんでしょうが、何ともタイムリーな感じがしますが(笑)。
出だしのアコギが「夏なんです」や「相合傘」を連想させ、はっぴいえんどを意識して作られた楽曲なんだろうなってことがよくわかります。にしては、エレキの音がデレク・トラックス(テデスキ・トラックスバンドしか聴いたことないんですが)っぽかったり、サビの部分は、ヌーオリンズ(布谷さんはニューオリンズをこう歌ってた)のミステリアスな雰囲気を漂わせ、ネオ・ハッピイエンドのちょっとわくわくするような楽曲になってるように思われます。しかしながら、松本さんの詩はどうも断片的で、ノーバディーズ・フールではありますが(笑)、シュール過ぎ、今一つ私にはよくわからなかったのが本音なんです。なんで、私にとっては「シュールの街」ってことになるんでしょうかね(笑)。ま、どっちにしても、これを機に、もっとこの3人で作品を発表してほしいなと切にお願いする次第であります。細野さん、茂さんのアルバムには、必ずお三方揃い踏みの曲を何曲でもいいんでいれてやってくださいよ、お願いします。