SALT,SUN & TIME

ローザンヌ備忘録

続・糞尿譚

「スカトロピア」雁屋F


扉に書かれてあるように、スカトロピアとは、スカトール(糞便)のユートピアということらしい。そのスカトロピア国では、糞尿等を嫌悪する人は心のねじまがった凶悪な魂を持った人で、うんこをする価値もない不潔な人間とされる。うん、これは充分に納得されるものいいではありませんか(笑) 本書の内容もそれはそれはその手の思い出、考察がテンコ盛りのエッセイ集で、ここまでくると爽快としかいいようがありません(笑)
 先日紹介した「スカトロジア」「ウィタ・フンニョアリス」にも出ていたフランス文学者である渡辺一夫氏の「糞尿薬の話」でこんなことをおっしゃっています。


― 糞尿の話は正に下品であるが、ある限度において笑いを誘い、人間精神の偏向を是正する。「臭いもの蓋をして」も臭いものは厳然として存在する、ということを上品になりやすく、いい気になりすぎやすい我々人間は忘れない方がいい。―


と。その通り、どんな絶世の美女、美男であろうが、お偉いさんであろうが、お金持ちであろうがみんな用を足すわけなんですね。そこんとこヨロシクなんであります。
ちなみにこの著者雁屋F氏、実は「男組」「美味しんぼ」の原作者、雁屋哲氏その人なんですね、こわいですね、楽しいですね。グルメであれだけ著名になった雁屋氏、きちんとその前に排泄の方も押さえてたってとこが、なんとも憎いですね。

「ウンゲロ」松沢呉一・のびきりのびいち 編・著


サブタイトルが「排泄物の百物語」となっていて、これまたその手の話がテンコ盛り(笑)
どちらかというと今まで紹介した本とは違って高名、著名な方は出てきません。あの飲み屋で花咲くウンゲロ話(わかってもらえますよね)がメイン。とはいうものの、大家の李家正文氏の話や飲尿健康法に挑んでみたり、ウンゲロアンケートを集計してみたりとなかなか実践的。でもやっぱりたくさんの人々の「ウンゲロ馬鹿話」が最高!なんですね。
吉本ばななさんを始め、なんと伊藤銀次さん(これがまた抱腹絶倒)、あがた森魚さん、蛭子さんに、室井滋さん、渡辺和博さん、久本さんなどなど、「あんたも好きね、ちょっとだけョ」どころじゃなく、そりゃーもう赤面の話を惜しげもなく開陳してくれておりますよ。いや、楽しい、楽しい、にゃははははです。
糞尿は地球を救うんですからにして。究極のリサイクルにも目を向けよう(笑)
2冊ともどっかで見かけたら即買いですよ!
あ、そうそう、フランスの有名なファッション・デザイナーもこの手の話が大好きだそうです。エマニュエル・ウンゲロなんちゃって。
そんじゃ、またこんなクソオヤジのゲロマブブログでお会いしましょう。

古本「山風蠱」http://www.geocities.co.jp/MusicStar-Piano/9491/newpage3.htm