SALT,SUN & TIME

ローザンヌ備忘録

やっぱ、便所は怖い

ただいまぁ〜 お帰り〜 って、掘っ立て小屋の板戸を開けたり締めたり。
っていうのを思い出しちまったぃ。あれはぁ、なんか切なかった。相米監督の「台風クラブ」の一場面。それといっつも背伸びをしながら、爪先立ちながら遠くを見やる工藤夕貴ちゃん。なんか良かったなぁ。他はほとんど忘れちまったけど(笑) ってそういう話ではありましぇん。

帰ってまいりました、またこのクソ熱い東京へ。
しかし、山ん中は寒いくらいで。雲泥の差。
そして、田舎の家なもんで、なんともうウン十年も行ってなかったのになんも変ってなく薪で焚く風呂も便所も相変わらず外!
夜は疲れをねぎらうかの酒宴の花が咲き、ワケがわからなくなって、、、。
おのずと膀胱には、小水がたまり、必然的に夜中に便所へと向かうという図式が出来上がってまして、、、。
山ん中だから、なんもいないのはわかってんだけど、いや、猪が桃を食い散らかして、蛾や虻やムカデにみみずはわんさかいるんで、なんもいないわけはないんだけど。夜中に家の裏手にある便所で用を足していると、その透かし窓から誰かが覗くような、円山応挙描くところのざんばら髪の、口元から紅い絹糸のような血をたらし、恨めしそうにこちらを見上げる幽霊、はてまた、脳髄がどろりと噴出し、目玉が飛び出たゾンビが、なぜだか今にもあのキーンキーンキーンという効果音とともに飛び出してくるような、そんな錯覚に囚われるのである。背筋をぞくぞくさせながら、今、飛び出してくる、そら、ほら、飛び出してくる、とドキドキしながら用が終わると、ほんとは一目散にウチの中に飛び込みたいんだけど、なぜなんだか、怖くない、怖くなんかないよ〜だ、を装うように、ゆっくりとゆっくりと歩いてウチに入って、超ホッとして、あっという間に寝床に入ってタオルケットをかぶる。やっぱ、どこでも便所は怖い(笑)


古本「山風蠱」http://www.geocities.co.jp/MusicStar-Piano/9491/newpage3.htm

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