SALT,SUN & TIME

ローザンヌ備忘録

“Here is Barbara lynn”


久々にCD、バーバラ・リンの“Here is Barbara lynn”を買いました。

私の場合、2003年に出た最高に気持ちいい“Movin’ On a Groove”がバーバラの全てなもんで、これ以外はまるで知らない、わからない状況なんでありますが、しかし、それが逆にいいんだと思ってます。へたに詳細な足跡なんぞがわかってしまうと、いらぬ感情が入ってしまい、純粋に音そのものを楽しむことができない気がするもんで。もちろん、より深く音を味わえるという部分も無きにしも非ずではありますが、いや、だからこそ逆に、純粋にその音を感じているとは言えないわけでって、いいかぁ、そんなこと。
でも、もうちょっと、、、早い話が、音だけから感じ取られるものをまずは、大事にしたいと思ってるわけです、ぼくの場合は。
そのメロディ、うたの強弱、うたの持つ表情、楽器の奏でる音の表情から受ける印象というのは、文字で書かれていることより、その人のそれこそ言葉や文字で表すことのできないものが映し出されてるんじゃないかと思うわけです。
だから、言葉がわからなくても、うたってる内容がまるでわからなくても世界共通に広がっていくんだと思っているわけで、、、そう、初めに音ありきなわけですね。「あぁ、いいなぁ、なんつぅいいうたなんだろう」、と思ってから、「いったい何をうたってるんだろうか」とか「この人はいったいどういう人なんだろうか?」と進んでいくのが筋道としては、通っているように思うわけです。
って、ちょっと待てよ、と自身を振り返ってみると、そういえば、雑誌を立ち読みしてという部分が多々あるなぁ、と思い当たるわけです。
何かのライブで、CDショップで、カーステから流れてきて偶然耳にしたり、今は亡きロック喫茶なるものや、友人、知人に、いいよって、無理やり聴かされたり、なんていうのが本来はベストでありますが、そういうことは少なくなりましたもんね、ほんとに。
音楽評でも友人から勧められるような、これいいよ、えらく気持ちいいよ、ぐらいであればまだしも、幼いころからギターやピアノに勤しみ、両親の影響でまずはクラシックを勉強し、、、、なんてことや、まずしい家庭に生まれたジョーの楽しみは、お爺さんの吹くハープだけだった。両親の不幸、絶望のずんどこから這い上がり、みごと花開いた、、、なんてことだったり、ガレージな部分にレゲエの色合いをまぶし、モータウン色がいい塩梅に漂う(どんな音だ?)なんていうことが載ってたりすると、もうそこで「ありゃー、こんな若いのにもう大変な人生を歩んじゃったのね」「ガレージにレゲエにモータウン? 聴いてみたい、寝てみたい」なんぞというその文言から想起される感情が、音を聴く前に芽生えてくるわけですね。ま、高いお金を出して、音楽を購入する場合には、それなりにそんな説明が必要な部分もあったりもするわけですが、、、でもさ、そんなん鵜呑みにして失敗したことってなぁい? なんだよ、期待してたのにがっかりだよ、ってこと。ま、それもこれも何もかも、自分の責任なんです本来。
なわけで、基本的な姿勢、大事なことは、最初に書いたように初めに音ありきでありまして、、、えー、でもって、だから、、、やっぱ、いいかぁ、どうでもいいかぁ、そんなこと、好きに聴きゃいいんだ、早い話が、うるせぇーやい、ばーか、ばーか(笑)。
で、枕が長くなってしまいましたが、バーバラ・リンはやっぱ、いいやね!
当時、40年近くさかのぼった頃と現在の声がほとんど変わってないことにびっくりでした。
ボビー・ブランドは、デヴュー当時と、DukeからMCA、マラコの初め頃と、そして現在と3回、声の脱皮をしてるとにらんでいるんですが、バーバラは、かわりませんね。
もちろん現在のほうが、曲調もアダルトテイストで声質は艶やかでまろやかな気がしますが、それはそれ、年輪とでもいうもんでしょう、声の。
それにしても、この頃のバーバラは、ソー・キュートで芯がしっかりしていて、一途で、絶対あたしを裏切らない、裏切っても裏切らない、だから、アタシもどうしても裏切れない、いつまでも待っていてくれる、そう、いつまでも広く深く大きな懐を広げて、、、なんてことが、そのうたから感じ取れるわけです。
日本にも昔は、そんな女性がいたもんですが、今はもういません。
つまんないとこだけ男みたいになっちゃって、気持ち悪いったらありゃしない。なんか妙だ、変だよ、って思わないんですかね。それこそいいように、妙にそっちの方にたけたアホ野郎にだまされちゃってるっていうのがわからないんですかね。ってどんどん脱線していますが(笑)。
もっと聴きたいんですが、お金がっつーのもありますが、なんと現在、これとベスト盤ぐらいしかないんですね、びっくりしたことに。もったいないですね。他のも復刻してくださいよ、お願いしますよ。ほんとに。
なわけで、バーバラ好きには答えられないリ・イシューでありました。

そういえば、ボビー・ブランドのこっちもそれまでにないキュートな面を強く出したアルバム、“CALL ON ME”もCD復刻されてました。ボビーの愛らしい部分が垣間見れて良いアルバムっすよ、これも、はい!