SALT,SUN & TIME

ローザンヌ備忘録

群ようこと椎名誠、そして坂本龍一

最近立て続けに読んでしまった本の著者の方々でありまして、まずは群さんと椎名さんのお二人は、「本の雑誌」で活躍されていた頃はよく知っていたのですが、(って群さんは、群さんになってからはもう「本の雑誌」に居ませんでした。木原ひろみさんが懐かしい)ここうん十年はまるでご無沙汰をしておりました。しかし、なぜか群さんは今どうしてんだろうか?椎名さんは?なんてことが頭をよぎり手にしてみたわけなんです。それもこれも歳のせいで、皆さん、この老いをどう過ごしているんだろうか?なんてことがここ数年気になって気になってしょうがないからなんですね(苦笑)

そうしたらば、あーた、大変なことになってるじゃありませんか、えー、ほんとに。

群さんは漢方薬の専門家になっているし、あのスーパーマン然としていた椎名さんは奥さんを大事に孫を溺愛する好々爺になっているではありませんか。このうん十年はやはり、人をこうにも変わらせてしまうものなんですね。あー、びっくりした。って私の場合、お二人の著作をもう、うん十年も読んでいないもんですからその間がずる抜けになっておりましていたしかたないのでありますが、、、。

しかしながら、群さんのご家族に対する不信感を赤裸々につづった部分については、公に書いてしまわれるだけのものがあったということでなんとも切ない気分になったし、椎名さんに関しては、やっぱり老いには勝てないのだなぁ(そもそも勝つ必要があんのか?)、でも酒はガンガン飲んでんだなぁといくらか安心したり、そういえば、「本の雑誌」代表の目黒孝二さんも亡くなられたしなぁ、当時のはちゃめちゃな書評誌だった頃のことを思い出したりして、結局はそれもこれも各人の歳の取り方なんだなぁ、私はわたしの歳の取り方をするしかないんだなぁ、どこにも答えなんかないんだよなぁとわかってはいたんですが、感慨にふけるしかないのでした。

坂本教授の本はもう一気読みで、YMO以前から私の好きなミュージシャンのバックメンバーでお名前を拝見してましたから、知らなかった裏話も多くてもうなんだか懐かしくて面白くてたまりませんでした。クラシックや現代音楽の素養があった教授が驚いた細野さんや山下さんのポップスやロックからの影響力や耳のよさっていうのは、だよな、やっぱりそういうものからだってきちんとスンバらしいものが育まれていくんだよなと再認識させられましたし、素の教授が垣間見れてなんだか嬉しかったっス。しかしながら、今の私にとってはこの後の話、病に侵されてからの心の持ちようが大事なわけでそのへんがいくらかでもわかればありがたいもんなんですがね、、、。