SALT,SUN & TIME

ローザンヌ備忘録

毎年恒例地元新年会

この時期になるとやってくるのがこの新年会。もうかれこれ20年以上続いてる。小学校のときの恩師を囲み仲のよかった連中とあの頃のことを好きなだけ話すというたわいもない会なんだけれど。
その一週間ぐらい前になると、旧い小・中学の頃の友人から1年ぶりに電話がかかってくるんです。
「何々さんから電話ぁ〜」なんて声がかかると、「お、今年もやるか」といそいそと電話に出たりして。で、電話に出ると「何日は、空いてる?」といつものことながら緊張した面持ちの声がする。「う、うん。大丈夫だよ」なんてこっちも1年ぶりなので、なんとなく緊張しながら答えたりする。で、妙に笑っちゃうような気分になり「元気にしてんのかぁ〜、あっちぃ〜」なんてわざとくだけて、当時のあだ名で呼んででみたりする。このやりとりがなんだか笑っちゃうんですね、毎年。
で、毎年新年会のお題は、1年前と変らず同じ思い出話なのに面白くて楽しくてこれまた笑っちゃう。
目の前のアタマの薄くなったおっさんが、あの頃の寝癖アタマの友や目の下がたれて目じりやおでこのしわが目立つおやじが、紅いほっぺのぼっちゃん刈りの友に変わるってんだから不思議でしょうがない。でもほんとの話(笑)。
そして、いつものように草野球チームの話が始まるって寸法です。
荒川土手に行っちゃ、野球の練習はそこそこに川に入ってメダカやタナゴ、ザリガニに何か得体の知れないものを捕ったり、土手を滑り降りたり、ころげまわったりしたもんだった。今度は居酒屋が荒川土手に早変わり(笑)。
そこで事件は起こったんですよ、川崎さん! 土手をころげまわってた友人の一人が突然「うわぁぁぁ〜」と悲鳴を上げたんです。近くで、絶対どっかで試してやろうと柔道一直線の地獄車の練習をしていたオレやその他の連中もその声に驚いて「どうしたぁ〜」といいながら集まってきた。友人は青い顔をしながら、少し涙をため「うんんん〜」といいながら野球ズボンの腰のあたりを見ている。オレやみんなも腰のあたりに目をやると、べっとりと犬のうんが、、、うんが付いていたのだった。うんは付いたが、運はついてないというなんともいわく言いがたい状況がそこで起こってしまったのである。
今まであれだけはしゃぎまわっていた友人は、一気に意気消沈、テンションダウン。お父さんに電話して車で迎えに着てもらい、すごすごと帰っていったのであった。
これがなんで笑いの種になるのか。っていうのは、まあ長年の付き合いの中から育まれたもんなんでなんなんですが(笑)早い話が、その友人ちょっとえらそうなのね、いっつも。でもってその日も「おらおら、どーだぁ、こんなんできねぇだろう」なんていう感じでテンション高く転げまわってたもんで、その意気消沈とのギャップの大きさ及びお父さんに電話して迎えに着てもらうという恥ずかしい行為がオレ達の笑いを誘ったわけなんでありますね。って、やっぱこれは、この微妙な空気はわかんないだろうな、当事者じゃないと(笑)
ま、というようなたわいのない話しが次から次へと出てくるわけです。
でも今回誰かがぽろっと「この中で誰かが死んだら、この会も終わりだよな」と言い出したのには、ちょっと驚きました。そんなことを考える歳になってきたんだなあと思ってね。私自身もまだ先なんですが、こんな小さな黒い穴が向こうの方にちろちろと見え始めてきたような気がしてたもんで、少し息をのみましたね。若いときに考える不条理な理不尽な死の恐怖、苛立ちのようなものとは違い、リアルにちろちろと見えてくる、近づいてくるというやつなんですが。で、「そうだなぁ、、、」と答えたんだけど。それをさえぎるように一人の友だちが「いんや、続ける。一人になっても続けるんだ」と言い出した。それを聞いてた他の友達も「そう、オレ一人になっても続けるかんな」と笑いながらえらそうにのたまったのを聞いて、なんだか少しほっとしたような気持ちなったんです。恩師が珍しく欠席だったんですが、先生がいたらなんて答えたんだろう、と思ったりもしました。
ま、こんな話は雲散霧消、あっという間に昔話取って代わられてしまったけれど、私の中には妙に残りました、はい。って他のやつらも、、、。
そんなわけで今年も無事に、以前なら店から必ず誰かんちへ行って飲み直し、そいつんちの女房に抱きつくなんていうパターンだったんですが(笑)、ここ何年かは二次会できちんとお開きになるという極まじめな飲み会となり、終了しました。来年も誰欠けることなく会が催されることを願って筆をおく次第です。オー、ロード!!